国際学部NEWS
【石川ゼミ】“サステナブルな人”に会いに行く②〜高尾山ツアーに参加してきました~
2024.09.11(水)
NEWS
台風10号が接近する中、開催が危ぶまれましたが、坂田昌子さん(コモンフォレスト・ジャパン理事、環境NGO虔十の会代表)にガイドをしてもらい、8月29日、高尾山ツアーを実施しました。
台風10号が接近する中、開催が危ぶまれましたが、坂田昌子さん(コモンフォレスト・ジャパン理事、環境NGO虔十の会代表)にガイドをしてもらい、8月29日、高尾山ツアーを実施しました。集合場所は裏高尾にある日景沢林道入口。高尾山口の賑わいとは対照的に人影はほぼなし。しかし、だからこそ高尾山本来の自然の有り様に正対でき、普段であれば見逃しがちな小さな生き物たちへも目が届きます。冒頭に「日本では登山がスポーツになってしまったから、山そのものへの興味、敬意が薄れてきている」と現状を危惧する坂田さんからの言葉に戒められ、そして「高尾山にある植物は1500種でイギリス一国分と同じ」との説明に驚嘆し、少しでも多くその多様性に触れようとツアーは始まりました。
森の「調整者」である苔は、他の植物が生えてこられる環境を育んでいること。多様な森は下に雨が落ちるまでに(いろいろな高さの木があるから)絹糸のようになり、土砂崩れしづらいこと。キノコが生まれて、初めて森が循環し始めたこと。地中(根)の世界を知らないと森の本質がつかめないこと。高尾山に降り注いだ雨は15年かけて川に流れ出すが、フクシマの影響が今になって出てくるのではないかと心配していること…などなど、1kmにも満たない距離を3時間もかけ、坂田さんの膨大な知識と経験の量に圧倒されて、心身ともに学生たちはヘトヘトに。それでも、ツアー終わりがけに強くなった雨をよけながらバス停に向かう学生たちは、どことなく楽しげで、充実感に溢れている風でした。
本来、自然は勝手にサステナブルな状態にあると話す坂田さんに、お決まりの「サステナブルとは?」との問いを投げかけると、「ちゃんと生きて、ちゃんと死ぬ」という言葉が返ってきました。その循環をしっかりと意識することが、軽薄化してきている自然への敬意を回復することにつながるのだと認識させられた思いでした。
植物が人間のように呼吸をしている姿や動いている姿を見られるわけではないため、植物に対して「生きていると」いう自覚が薄くなっていました。しかし、今回のエコツアーを通して、1つの花にも虫が寄ってきやすいような工夫がなされていたり、大きい葉と重ならないように小さい葉は少しずれて生えていることなどを知りました。こういったところから、人とは違う生命でも生存するための工夫や新たな植物を増やすために人間が思いもつかないような工夫もされていて、植物も生きているのだということを改めて知ることができ、勉強になりました。
溝渕 将(国際学科4年/東京都立成瀬高等学校出身)
ただ木が生えていて、植物が生い茂っていての山ではなく、自然ひとつひとつに命があり、その過程を通して、私たちの生活も守ってくれていると感じました。土1cmが積み重なるのに10年かかり、高尾山では15年をかけて水が湧き出すという、長い年月がかかりながら山が形成され、循環しているということに驚きました。今まで素通りしていた場所に、こんなにも複雑だけど面白い世界が広がっているのだなと学びました。
浅見 太勢(国際学科4年/埼玉県立所沢西高等学校出身)
今回のツアーで私たちが普段何気なく見ている山や植物にもそこにはちゃんと命が宿っていることを知りました。菌が木々に対してシグナルを送って共生したり、自然界はそこに住む植物たちの種類が多ければ多いほど、より強固に生態系を維持できたりすることを学びました。それは私たち人間にも言えることで、小さい時にいかに菌を体の中に入れることができたかでその人の免疫力が決まると聞き、とても驚きました。菌と聞くと体にとって良くないものを想像しがちでしたが、菌に対するイメージが今回のツアーで大きく変わりました。
藤本 祐司(国際学科3年/茨城県・土浦日本大学中等教育学校出身)
自然がそこにあり、何も知らないのと少しでも知っているのとでは、見方がかなり変わることが今日の話を聞いて実感できた。山の仕組み、自然に生えた木がどのようにやってきたのか、それが今どんな役割をそこで果たしているのか、それらを知ることは私たちの生活にだいぶ関わっているのだと認識できました。
奥村 風斗(国際学科2年/大阪府・初芝立命館高等学校出身)
今回のツアーで改めて植物が山とどう接しているのか、いかに高尾山が貴重な山なのか、そして山や自然に関わり、日本のために変えようとしている人々の活動など、講義や普段の生活では知りえないことを学ばせてもらいました。たしかに、山からどうやって水が出ているのかなどを一から説明しようとしても以前の知識では説明できませんでしたが、今は15年という年月がかかり、山の至る所から繋がる水の道でミネラルを得ているなど、少しだけ詳しくなりました。ですが、もうすぐで原発事故の時に発生した雨が川に流れてくると聞いて、この先どうなっていくのだろうか山はどう変化していくのかとても興味深い話を聞かせてもらえました。
森の「調整者」である苔は、他の植物が生えてこられる環境を育んでいること。多様な森は下に雨が落ちるまでに(いろいろな高さの木があるから)絹糸のようになり、土砂崩れしづらいこと。キノコが生まれて、初めて森が循環し始めたこと。地中(根)の世界を知らないと森の本質がつかめないこと。高尾山に降り注いだ雨は15年かけて川に流れ出すが、フクシマの影響が今になって出てくるのではないかと心配していること…などなど、1kmにも満たない距離を3時間もかけ、坂田さんの膨大な知識と経験の量に圧倒されて、心身ともに学生たちはヘトヘトに。それでも、ツアー終わりがけに強くなった雨をよけながらバス停に向かう学生たちは、どことなく楽しげで、充実感に溢れている風でした。
本来、自然は勝手にサステナブルな状態にあると話す坂田さんに、お決まりの「サステナブルとは?」との問いを投げかけると、「ちゃんと生きて、ちゃんと死ぬ」という言葉が返ってきました。その循環をしっかりと意識することが、軽薄化してきている自然への敬意を回復することにつながるのだと認識させられた思いでした。
〈参加ゼミ生の感想〉
小澤 将騎(国際学科4年/武相高等学校出身植物が人間のように呼吸をしている姿や動いている姿を見られるわけではないため、植物に対して「生きていると」いう自覚が薄くなっていました。しかし、今回のエコツアーを通して、1つの花にも虫が寄ってきやすいような工夫がなされていたり、大きい葉と重ならないように小さい葉は少しずれて生えていることなどを知りました。こういったところから、人とは違う生命でも生存するための工夫や新たな植物を増やすために人間が思いもつかないような工夫もされていて、植物も生きているのだということを改めて知ることができ、勉強になりました。
溝渕 将(国際学科4年/東京都立成瀬高等学校出身)
ただ木が生えていて、植物が生い茂っていての山ではなく、自然ひとつひとつに命があり、その過程を通して、私たちの生活も守ってくれていると感じました。土1cmが積み重なるのに10年かかり、高尾山では15年をかけて水が湧き出すという、長い年月がかかりながら山が形成され、循環しているということに驚きました。今まで素通りしていた場所に、こんなにも複雑だけど面白い世界が広がっているのだなと学びました。
浅見 太勢(国際学科4年/埼玉県立所沢西高等学校出身)
今回のツアーで私たちが普段何気なく見ている山や植物にもそこにはちゃんと命が宿っていることを知りました。菌が木々に対してシグナルを送って共生したり、自然界はそこに住む植物たちの種類が多ければ多いほど、より強固に生態系を維持できたりすることを学びました。それは私たち人間にも言えることで、小さい時にいかに菌を体の中に入れることができたかでその人の免疫力が決まると聞き、とても驚きました。菌と聞くと体にとって良くないものを想像しがちでしたが、菌に対するイメージが今回のツアーで大きく変わりました。
藤本 祐司(国際学科3年/茨城県・土浦日本大学中等教育学校出身)
自然がそこにあり、何も知らないのと少しでも知っているのとでは、見方がかなり変わることが今日の話を聞いて実感できた。山の仕組み、自然に生えた木がどのようにやってきたのか、それが今どんな役割をそこで果たしているのか、それらを知ることは私たちの生活にだいぶ関わっているのだと認識できました。
奥村 風斗(国際学科2年/大阪府・初芝立命館高等学校出身)
今回のツアーで改めて植物が山とどう接しているのか、いかに高尾山が貴重な山なのか、そして山や自然に関わり、日本のために変えようとしている人々の活動など、講義や普段の生活では知りえないことを学ばせてもらいました。たしかに、山からどうやって水が出ているのかなどを一から説明しようとしても以前の知識では説明できませんでしたが、今は15年という年月がかかり、山の至る所から繋がる水の道でミネラルを得ているなど、少しだけ詳しくなりました。ですが、もうすぐで原発事故の時に発生した雨が川に流れてくると聞いて、この先どうなっていくのだろうか山はどう変化していくのかとても興味深い話を聞かせてもらえました。

ガイドをする坂田昌子さん(中央)

ルーペで地衣類のミクロの世界を観察

ツアー後に坂田さんを囲んで、ふりかえり