FACULTY OF INTERNATIONAL STUDIES
国際学部NEWS

【岡田ゼミ】中国でのゼミ研修旅行を4年ぶりに実施しました

2024.03.13(水)
NEWS  
岡田ゼミでは、コロナ前まで中華圏での海外研修を毎年実施してきましたが、今回4年ぶりに中国で実施しました。主な目的は以下の4点です。 1.能登半島地震が発生した機会を捉え、2008年
岡田ゼミでは、コロナ前まで中華圏での海外研修を毎年実施してきましたが、今回4年ぶりに中国で実施しました。主な目的は以下の4点です。
1.能登半島地震が発生した機会を捉え、2008年に発生した四川大地震を契機に実施された防災分野における日中協力プロジェクトを見学し、四川大地震後の復興状況、防災対策の変化などを学ぶ。
2.対中ODAで建設された重慶ライトレールを見学し、国際協力の実例を学ぶ。
3.中国における世界遺産や歴史的建造物見学等を通じ観光開発の現状を学ぶ。
4.中国の経済社会インフラ、環境保護、都市計画などSDGsの取り組みを学ぶ。
 
四川省成都市では、「成都-壹基金 青少年と未来防災体験館」見学を行いました。同館は中国の民間団体(壱基金公益基金会)により整備されましたが、2015年から2018の3年間、JICA技術協カプロジェクト「四川省における防災教育推進及び能力向上プロジエクト」の一環として、政府ベースの防災教育協力が展開された現場の一つでもあります。
今回の岡田ゼミ訪問では、仲介いただいた北京のJICA中国事務所から竹内和夫所長、周姸高級顧問にわざわざ成都まで来ていただき、またプロジェクト形成段階で案件の要請等、様々な調整に参加された梁晋さん(当時四川省科学技術協力協会会長、元四川省科学技術庁国際協力処長)とともに、詳しくお話をお聞きすることができました。
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防災体験館、四川省科技庁、JICA中国事務所の皆さんにお世話になりました。
四川省側の防災体験館のスタッフの皆さんのご案内と解説、実際の体験により、ゼミ生は四川大地震後の防災教育の充実ぶりを実感することができました。
また見学に先立ち、四川省科学技術庁及び四川省科学技術交流センターの幹部の皆さんと懇談する機会もいただきましたが、皆さんから日中技術協力、国際交流の重要性が強調されました。また、かつてODAプログラムで日本に留学し、博士号を取得された西南財経大学・何霞副教授(前JICA長期研修員同窓会長)も同席され、同じ留学生であるゼミ生に激励をいただきました。
学生にとっては国際協力の最前線で仕事をされている多くの責任者・実務者と交流する、大変貴重な機会となりました。
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2008年の四川大地震の被害の様子が再現されています。
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地震による土石流発生のメカニズムを学ぶゼミ生。
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四川省科技庁、四川省国際科技交流センター、JICA中国事務所の幹部、日本で博士号を取得された大学教授らとの懇談の場を持つことができました。
また重慶では、日本のODA(開発調査・円借款)を活用して建設された重慶ライトレールの見学を行いました。三峡ダムで有名な険しい地形に位置する重慶では、ライトレールが市民の日常の足となっています。1988年に建設計画が立ち上がり、1992年からODAによる開発調査、その後の国家プロジェクトとしての承認、円借款プロジェクトとして実施が決定し、日中両国の専門家、技術者、企業の協力により2004年に開通したものです。仏図関駅脇の広場に設置された「記念壁」には、建設経緯が説明されるとともに、日中双方の建設関係者の名前と手形が記されています。重慶を訪問される方は、ぜひ仏図関駅に立ち寄りください。
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中国語と日本語で詳しく説明されています。
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重慶ライトレールの建設、日本との国際協力の経緯を記した記念碑。
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軽軌(ライトレール)建設者記念壁には、多数の日中双方の関係者の名前と手形が掲示されています。
以下、ゼミ長の陳欣杰(チン シンジ)さん(国際学科国際経済コース2年/中国・浙江省出身/石川県・日本航空高等学校石川出身)から、研修旅行の感想を報告してもらいます。
 
今年の中国の春節は2月10日で、多くの留学生のゼミ生が中国にいることから、海外研修旅行を実施するいい機会だと思いました。そのために、昨年9月からこの海外研修旅行の計画を準備しました。
今回の研修では、成都市と重慶市の日中協力プロジェクト、当地の地域文化や歴史を中心に学びました。私は日中協力プロジェクトの見学に対して、深い印象が残りました。私たちが知らないところで、中国と日本の国際交流が密接に進行しています。「壹基金青少年と未来防災体験館」と「重慶ライトレール記念壁」の見学を通して、日中協力プロジェクトの成都市と重慶市への影響を実感しました。国際協力方面の幹部との懇談やJICA中国事務所の幹部からの説明・資料によって、様々な対中政府開発援助の歴史や現状を知るようになりました。
将来、日本と中国をつなげるのが、私たち若者であるため、これからも日中協力に貢献できる国際人になれるように頑張ります。
 
文責:岡田 実(国際学部教授)