HOME国際学部NEWS
2019年09月18日NEWS

藍澤ゼミがマレーシアのロクウライ村でプロジェクトを開始

6.ゼミ生がロクウライ村の住民に社会調査をしている様子

ゼミ生がロクウライ村の住民に社会調査をしている様子
ロクウライ村は、マレーシア国サバ州コタキナバル市のガヤ島にある人口4,000人程度の小さな村です。藍澤ゼミの学生たちは、夏季休暇を利用してこのロクウライ村でプロジェクトを開始しました。今回の滞在では、村で深刻化するごみ問題に対する住民の認識を調査したうえで、その現状に照らしてゼミ生ができる活動を行うことで、ごみ問題の解決に貢献することを目指しました。
ロクウライ村の住民は水上集落で生活するバジャウ族で、そのほとんどが漁で生計を立てています。バジャウ族は、フィリピン南部をはじめ、サバ州東部などを生活圏としており、現在でも国境に関係なく往来しながら生活しています。そのため村にはいわゆる不法移民も多く生活しています。
村の最も深刻な問題はごみの問題です。村の人口増加にともなって、水辺にはごみが山積しており、その量は増加の一途を辿っています。水辺という水辺はごみで埋め尽くされ、「ごみの島」といっても過言ではありません。海はもはや住民のごみ箱となっています。
一方でこの問題に対して住民たちは何もできないという現実があります。たとえリサイクル可能なごみを集めても、それを売ってお金にするためのルートが確立していません。コタキナバル市の本土では民間業者がペットボトルなどを有価ごみとして買い取りますが、島部にあるロクウライ村ではそのような仕組みがありません。コタキナバル市が島の波止場に有価ごみの回収場所を設置しましたが、今年の台風で半壊し、いまだ復旧の目途がたっていません。復旧できたとしても、民間業者が有価ごみを引き取るためのボートの燃料代を払ってまで、ごみを回収しに来るかどうかは分からない状態です。
ゼミ生たちはこのような状況に対して何かできないかと、ロクウライ村でプロジェクトを立ち上げることを決めました。今回はゼミ生たちにとって初めてのロクウライ村訪問であったため、村での活動は村長とのコンタクトからはじまりました。まずは村のリーダーたちとの信頼関係を構築する必要があったからです。ただ当初は、村長から信頼を得たとは言えない状況でした。チームから村長に説明を繰り返した結果、村で社会調査を実施することに対して許可を得ることができたものの、村長には笑顔はなく、半信半疑だったに違いありません。ゼミ生たちが村長を巻き込んでまで、社会調査を出発点とすることにこだわったのは、村の状況を正確に理解せずに適切な活動を行っていくのは難しいと考えたからでした。

1. ごみで埋めつくされたロクウライ村の水辺

ごみで埋めつくされたロクウライ村の水辺
調査では、村長をはじめ村のリーダーたちの協力を得ながら、ゼミ生たちがグループに分かれてアンケート調査とインタビュー調査を行いました。そして収集情報を集計し現状把握につとめました。分析の結果、村の住民たちは、ごみを海へポイ捨てしている一方で、水辺にごみが山積していることを気にしていないわけではないことが明らかになりました。またごみ拾いの活動にも前向きな姿勢を示す住民が多くを占めることが分かりました。

2. スポーツを通じたロクウライ村の子供たちとの交流

スポーツを通じたロクウライ村の子供たちとの交流

3. 子供たちにサッカーを教えるゼミ生

子供たちにサッカーを教えるゼミ生
この結果をもとに、ゼミ生たちは具体的な活動をはじめました。まずは村に溶け込むため、子供たちと交流するところからはじめました。それをきっかけに親たちにゼミ生たちが村で活動していることを認識してもらうためです。その結果、村からは100名を超える子供たちが集まりサッカーやバレーボールで交流しながら大きな盛り上がりを見せました。その勢いのまま親たちを対象にごみ問題について考えるワークショップを開くことにしました。
しかしながら、ゴミの問題は根深く一筋縄にはいきません。住民を動かすということはそう簡単なことではありません。村の小学校で親たちを対象にワークショップを開きましたが、残念ながらひとりも会場には現れませんでした。夜を徹して準備したプレゼンやグループワークに向けた準備は今回の滞在中に実を結ぶことはありませんでした。
そこでゼミ生たちが思いついたのは、子供たちを巻き込んだゴミ拾いの活動です。特に有価ごみであるペットボトルの回収です。ゴミ拾いには100名を超える子どもたちが集まり大量のペットボトルを回収することができました。特記すべきは、それを見ていた親たちが少しずつ子供たちに加わり、ゴミ拾いに参加したことです。今回の滞在ではここまでしかできませんでしたが、ゼミ生たちは親たちを巻き込みながら村のごみ問題を解決していくための糸口をつかんだようです。
ロクウライ村での活動を終え、ゼミ生たちは村長に報告しました。これまで笑顔を見せなかった村長も最後になって大きな笑顔を見せてくれました。今回の活動は大成功とはいきませんでしたが、異文化で試行錯誤しながら問題解決に臨んだ経験はゼミ生たちに大きな自信を持たせたようです。ロクウライ村でのゼミ生たちの挑戦は今後まだまだ続きます。

4. 子供たちと有価ごみの回収を行っているゼミ生

子供たちと有価ごみの回収を行っているゼミ生

5. ロクウライ村の子供たちが有価ごみを回収する様子

ロクウライ村の子供たちが有価ごみを回収する様子

TOOLS