HOME学部の教育教員紹介 西口 茂樹 教授

「心」に着目したコーチングで学生の能力を引き出す

西口-茂樹

西口 茂樹 教授

1993年日本体育大学大学院修了。1994年より拓殖大学に奉職。学生主事、政経学部非常勤講師、体育振興部長を兼務し、2013年より拓殖大学国際学部教授に就任。

インタビュー

  • Q
    先生は大学時代にどのような学生生活を送られていましたか?
  • A
    私は、レスリングで世界一になることを目標に、日々厳しいトレーニングに励んでおりました。おかげで、大学4年生時には、世界で3位になることができました。

    しかし、様々な見聞を広げたいと思い、大学2年生のときから、アルバイトで体育の家庭教師を始めました。その中の出会いで、下半身不随になったおばあさんのリハビリを依頼されました。このおばあさんのお世話は就業時から大学卒業まで続けることができ、人のために役立てることの喜びを知ることができました。
  • Q
    そのような学生生活を送っていて、なぜ研究者を志すようになったのですか?
  • A
    学生時代にハンガリーに留学しました。ハンガリー留学で体育に関する自分自身の常識が、日本の常識とはかけ離れていることに衝撃を受けました。体育の楽しさ、必要性を伝えていきたいと思い大学院に進みました。
  • Q
    ハンガリーと日本では、体育に関する常識について、具体的にどんな点が異なっていたのでしょうか。
  • A
    ハンガリーの体育は、主に学校体育ではなく社会体育が主流です。たとえば、レスリング競技では、クラブチームが各地にあり、多くの子供たちが気軽に健康体育として参加して取り組むことが出来ます。

    そして、オリンピックを狙うような選手も一緒にトレーニングをしており、生涯スポーツと競技スポーツとが共存するシステムが成立しています。このことはレスリング競技だけでなくその他の競技についても同様なシステムになっています。

    日本では指導者と選手は、多くは師弟関係ですが、ハンガリーでは対等な関係になっています。日本のスポーツは教育的要素が大部分を占めますが、ハンガリーでは純粋に楽しむものとして認識されています。このようにいくつかの点で、両国の間には違いがみられました。
  • Q
    先ほどアルバイトでリハビリの指導を経験されたとも話されましたが、アルバイトでの経験は大学で教職に就くようになったことと、なにか関連あるいは影響があったのでしょうか。
  • A
    アルバイトでリハビリの指導をしたことは、人間にとって元気で活動できる喜びや有難さを体感し、健康の保持増進をはかることの大切さを痛感しました。人間にとって生きる喜びとは何か、健康の大切さとは何かを考えるきっかけとなり、是非、学生の皆さんに伝えていきたいと思いました。
  • Q
    今お話いただいたこと以外に、学生時代に人生の転機となるような出来事があればお答えください。
  • A
    私は、レスリング競技を通じて、旧ソビエト連邦など、様々な国を訪問することが出来ました。現地では、人々と共に生活することによって、日本の文化とは違う多くのことを学びました。
  • Q
    西口先生が拓殖大学国際学部に赴任することになった経緯などについてお話いただけますか?
  • A
    今年度より、2016年リオデジャネイロオリンピックのレスリング競技の強化委員長を拝命しました。

    グローバルな見地から国際学部の学生の皆さんのお役に立てればと思い着任させていただきました。
  • Q
    西口先生にとっての「グローバルな見地」とは、具体的にどのようなものの見方をすることでしょうか。
  • A
    人間は、自分の考え方に固執する傾向になりがちです。しかし、物事は同じ観点からではなく、様々な観点から見て、判断する柔軟な視野を持つことが重要です。私にとってグローバルとは、まずこの柔軟な視野をもてるようになるということです。そのためには、学生の皆さんが様々なことに幅広くチャレンジできるようサポートしていきたいと思っています。
  • Q
    現在、関心を持たれている研究内容、テーマをお答えください。
  • A
    レスリング競技で、いままで培ってきたコーチ学を様々な学生に適用できるように創意工夫し、指導していきたいです。また、スポーツの世界において、よく使われている『心技体』という言葉の中で、『心』という一番見えにくく、強化の難しいところに着目しています。『心』に着目し本人のパフォーマンス能力をいかに出し切るかを、コーチ学の立場から、研究していきたいと思っています。
  • Q
    「心」に着目した指導、研究を行う際の難しさ、とはどんなことでしょうか。
  • A
    今のスポーツは、成果主義になりがちです。そのため指導者は、目先の成果の為、技術、体力の強化を重点に指導します。しかし、実際には、成果は得られず、大きなストレスが生じてきます。

    現在の私の関心領域である「心」の分野は、心理学的な立場でケアをしています。今後起こりうる様々な困難に対応していくためには、自分自身で解決していく能力を身につけていく必要があると考えます。

    「心」には見えない部分が多くあり、個人の心理状態を常に理解し把握することは、非常に難しく、大きな課題です。
  • Q
    最後に国際学部の学生、受験生へのメッセージをお願いいたします。
  • A
    学生の皆さんに伝えたいことがあります。まず大学に入学したら、目的・目標を持とう。それが決まれば、お金を貯めよう。そして、外国に留学しよう。

    答えはそれぞれに違うでしょうが、自分自身が答えを出すことができると信じています。間違いや失敗があるかもしれませんが、20年後には必ず笑顔になれると思います。しかし、何もしなかったら20年後には後悔だけが残るでしょう。人生は一度きりです。私だったら、笑顔を選択します。

TOOLS