HOME学部の教育教員紹介 茂木 創 准教授

食料・エネルギー問題を中心に国際経済を研究

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国際学部

茂木 創 准教授

1997年高崎経済大学卒業後、慶應義塾大学大学院(修士課程・博士課程)に進学。2005年拓殖大学政経学部専任講師、2006年中国社会科学院世界経済政治研究所客員研究員(財務省開発経済学研究派遣研究者)、2008年政経学部准教授。2018年より国際学部に移籍。

インタビュー

  • Q
    拓殖大学国際学部に入られる前はどのような仕事をされていたのですか?
  • A
    大学院時代に本学の渡辺利夫先生(元総長・学事顧問)のお誘いを受け、2000年から本学が誇る『東アジア長期経済統計』の編纂に関わる機会を得ました。その後、政経学部で公募があり、2005年から拓殖大学政経学部に勤務。以来、本学で研究と教育に関わって参りまして、2018年4月に国際学部に移籍いたしました。
  • Q
    なぜ拓殖大学国際学部で教員・研究者の道を志したのですか?
  • A
    大学教員を志したのは、学生時代、尊敬できる先生に出会えたからです。先生のご好意で、大学1年の秋からゼミを聴講することができ、学部2年生の時には、河上記念財団(現:みずほ学術財団)やヤンマー農機の主催する論文コンテストに運よく入賞することできました。そんなこともあって、『学んだことを社会で生かせたらいいな』という思いが強くなっていっていきました。
    その後、私は慶應義塾大学大学院に進学し、故・大山道広先生から国際経済学や理論経済学を学ぶと同時に、学外ではアジア研究の第一人者、渡辺利夫先生から直接教えを受けることができました。図書館に並ぶ書籍の背表紙に刻まれた、高名な先生の下で勉強や仕事ができたことは、振り返ってみて、研究者としてとても恵まれていたと思います。
    2005年に本学に採用されて以来、長らく政経学部で国際経済を教えて参りましたが、国際学部の先生とは学部創設時から、研究や海外調査をご一緒させていただいておりました。今年度(2018年度)、国際学部に移籍し、古巣に戻ってきたような、なんとも不思議な感覚でおります。
  • Q
    学部ではどのような科目を担当されていますか?
  • A
    2018年度は国際学部1年目ということもあり、クラスゼミと経済発展(東アジアの経済発展)という科目を担当します。
    前職の政経学部では講義科目の他、ゼミナールを担当しておりました。ゼミナールでは、学内外の論文コンテストに入賞者を輩出することができ、学生には恵まれた教員生活を過ごさせていただきました。
    政経学部とは異なり、少人数教育を特徴とする国際学部で、よりきめ細やかな指導ができるのではないかと、胸躍らせております。
  • Q
    現在、関心を持たれている研究テーマをお答えください。
  • A
    最近では食料問題・エネルギー問題に関心があります。派生して、日本の農業抱える問題を、国際的な視点からどのように解決したらよいか考えています。特定の国や地域はありませんが、日本と関係の深い新興国と呼ばれる成長著しい国々や、これから成長に向かう途上国には時間の許す限り足を運んでいます。
     皆さんは「食料自給率が年々下がっていて問題だ」という話を聞いたことがあるかもしれません。1965年度には73%もあった食料自給率(カロリーベース)は2016年度には38%まで下がってしまいました。グローバル化時代を迎え、私たちを取り巻く食環境は大きく変化しているのは感覚的にもわかると思います。
    ところで、みなさんは群馬県の食料自給率って何パーセントかご存知でしょうか。「群馬県って、ネギやこんにゃく、キャベツ、豚肉…いろいろと作ってそうだから80%から90%ぐらいあるんじゃないの?」そんなイメージありますよね。
    ところが、33%(2015年度)しかないんですよ。驚きませんか?
    「群馬」というイメージと、実際の「数字」の違い。群馬県民の私も大変驚きました。
    もっとも、これはカロリーベースの自給率の話で、生産額ベースでみると100%を超えています。特産品のネギやこんにゃく、キャベツなどのカロリーはとても低いのですが、ブランドという付加価値が付くことで、生産額は割高に表示されるからです。
    数字の意味を考えること、それはとても大事です。確かに、数字には説得力があります。しかし、感覚とズレることが往々にしてあります。世界と日本を行ったり来たりし、数字(データ)と感覚の誤差を考えながら、日本経済をどうしたら生き生きとさせることができるのか、そんなことをテーマに掲げ、日々研究しています。
  • Q
    これから国際学部に入学を希望する学生、とりわけ先生の授業を受講する学生に伝えたいことは?
  • A
    拓殖大学はその建学の理念に示されている通り、海外で活躍できる人材の育成に力を注いできた大学です。これまで、多くの先輩が海外で活躍しています。国際学部はその建学の理念を現代に甦らせ、実践している学部だと私は考えています。
    国際学部に関心がある学生の多くは、世界で起こっているさまざまな事柄に興味をもっていることでしょう。国際学部はその名の通り、「世界にいちばん近い学部」です。多くのチャンスが目の前にあります。それを生かして海外に飛び出していってください。私たちが目指すゴールは、机上の空論に満足することではありません。
    グローバリゼーション進む情報化社会に生活している私たち。何不自由することなく毎日を過ごせます。世界各地の情報も、クリックするだけで手に入る、そんな気持ちになってしまいます。しかし、こんな時代だからこそ、「実際に世界を訪ね、自分の足で大地に立ち、五感で世界を感じ取る」という姿勢が大事になっていると私は考えています。「日本からみる世界」は、「世界の中の日本」ではありません。
    日本を出れば、それまで生きてきた自分の世界の常識が全く通じない世界が広がっています。
    初めて耳にする言葉。
    息をのむ絶景。
    むせ返る匂いと躍動する人の波。
    原色の魚や野菜が並ぶマーケット。
    石畳美しい旧市街に薫る珈琲。
    どこか懐かしい屋台のおばさん。
    林立する摩天楼。
    裸足で駆け回るスラムの少年。
    それらは圧倒的で新鮮な衝撃をもって私たちの五感を揺さぶります。この衝撃を青年期に経験できたかどうか。それは人生にとって大きな意味を持つと思います。
     しかし、同時に、そこから一歩踏み出して、こうした社会や現状を作り出した背景は何なのかと考えること、それは極めて重要です。そのために私たちは大学で学問を学びます。私の講義科目の一つである経済発展(東アジアの経済発展)という科目は、まさにアジアの成長の歴史と経験を、理論やデータを用いて学んでいく科目です。海外に出て感じる「感覚」と、データとして表れるギャップ。それをどう説明すればいいのか。若い皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。

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